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2008年 03月 28日

August Rush

今回の一時帰国のフライト中に見た映画「August Rush」の感想を。

b0020299_4403270.jpg一言で言うと、音楽の天才少年の話なんだが、実はラブストーリーだったりもする。

生まれてすぐ孤児院に預けられ、そこで育てられた主人公の男の子は、まだ見ぬ両親に会おうとする。一夜限りで離ればなれになってしまった男の子の両親は、お互いの気持ちはおろか、子供を産んだ母親ですら子供が健在であることを知らない。

そのような絶望的な状況下で、男の子は両親を捜そうと決意するが、あっさり道に迷ってしまう。しかし、それが幸いし?自分の音楽の才能に気づき、それを生かして両親を捜そうとする。かつてそれぞれが第一線の音楽家であった両親(チェリストとロックミュージシャン)も、十余年の歳月を経て、音楽家として再起しようと決意しつつ、母親は息子を、父親は母親(というか子供が出来たことすら知らないので、彼女)を捜そうとする。彼ら三人に唯一共通することは「音」。それぞれが音に惹かれ、音を辿っていくという話。

ストーリーはいかにも映画らしいものだった。現実にはあり得ない偶然が重なり、それが物語の最後に全て一つの点につながるあたりは、やりすぎの感あり。おいおい、そこまでつなげるかいって感じだった。あと、三人の才能、特に男の子の天才ぶりは、さすがにそれはねえよなってぐらいすごいものだった。

でも、そのストーリーの問題をカバーして余りある音楽の良さが光っていた。特に、主役の男の子のタッピング奏法は思わず画面に引き込まれるようなすばらしさだった。あ、いや、正確に言うと、男の子の演奏の演技はダメだったが、大人のプロが行っていた実際の演奏が素晴らしかった。手のアップのシーンは本当に弾いていたと思うので、おそらくプロの演奏を撮影したんだろう。ちなみに、演奏はほぼ全て吹き替えで、実際のギターの演奏はKaki Kingという女性らしい。母親のチェロの演技も、男の子のギター並にひどかったが、大好きなエルガーのチェロコンチェルトだったので許そうかな。

ちなみに、主役の男の子Evanは、Charlie and the Chocolate FactoryやA Good Yearに出ていた子だった。いま売れている子役なんだろうな。唯一吹き替えではなく、ロックミュージシャン役で頑張って歌っていた父親役は、Bend It Like BeckhamやMatch Pointに出ていた彼だった。Jonathan Rhys Meyersという俳優さんらしい。彼は、サッカーのコーチからテニス選手&シティのビジネスマン、ロック歌手と忙しい人だ。しかし、格好いいんだがちょっと内股でぼーっとした感じの俳優さんなので、ロック歌手には多少違和感あり。

この親子でギターを弾くシーンはなかなか良かった。二人とも親子であることを知らないが、音でつながっていることを描いているあたり、なかなか素敵なシーンだった。しかし、難点もあり。小銭を稼ぐ子供のストリートミュージシャンがなぜか名器Gibson J-200を持っており、しかもそこに偶然通りかかった父親も、なぜかGibsonをむき出しで持っているのは、さすがにおいおいって感じだった。どっちも数十万円する楽器だよ?ありえねー。

そうそう、あと脇役でRobin Williamsも出ていた。彼は、子供達を町中で演奏させて上前をはねるという悪役?だったが、彼と子供達が妙に現実離れしており、私が観た彼の主演作で最も駄作だった「Hook」を思い出すようなシーンだった。

以上、もう少しなんとかしてくれと思わせる映画だったが、なぜか涙腺が緩み、機内で2度も観てしまった。突っ込みどころ満載ではあるものの、ところどころにはっとさせられるシーンや心に残る音があったからだと思う。また、ラストシーンに向かう緊張感と期待度は、なかなかだった。あまり言うとストーリーが分かってしまうので言えないが、ラストシーンでも、あの主人公の男の子のどこに着替える時間があったんだろうとか、「天才」である男の子作曲のラプソディはいかにも映画音楽的な平凡な曲だったとか、やはりストーリーの詰めの甘さが見えてしまうが、そこを突っ込みながら観るのもよいかもしれない。

日本ではまだ公開されていないのかもしれない。あるいは、またしょーもない邦題がつけられてしまい、ぐぐってもヒットしなかっただけかもしれないが、もしこれから観る機会があれば、お勧め。

追記:邦題「奇跡のシンフォニー」で6月公開予定だそうです。。。しかし、酷い邦題だ。これは観たくならないな。だいたいシンフォニー出てこないし。最近では、Blades of Gloryの邦題「俺たちフィギュアスケーター」が酷すぎてひっくり返ったが、それよりは多少ましだが、ほんと、何とかならんのか。
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by kototora | 2008-03-28 04:55 | miscellaneous