2008年 06月 28日
盤石だと思っていた組織が、ある日突然崩壊する、そんなことが目前で発生している。 崩壊に向かい出した組織内はひどく混乱し、重苦しい空気が支配するようになる。組織の問題が瞬く間に個人の問題に波及して、個々人は自分のためだけに動くようになり、組織としての崩壊が加速する。さらに、その組織を外から支えていた人たちが、突然手のひらを返したように批判を展開し、立ち去っていく。内外の支えを失った組織の求心力はますます無くなり、気づくと、組織自体が「自然に」消滅してしまう。。。 組織とは、かくも脆いものだとは思わなかった。ただ実際には、これまでにも日本でも、新聞沙汰になるような組織崩壊が発生している。最近では、ライブドアやグッドウィルが良い例なのかもしれない(どちらも完全に崩壊したわけではないようだが)。また、かつての山一証券の倒産もその一例であろう。もっと小さなレベルでは、日常的にこういったことがあちこちで発生している。一番小さなレベルの組織崩壊で最も顕著な例が、夫婦間の離婚ではないかと思う。 ちなみに、この目前で崩壊しつつある組織の問題点は、実は、皆分かっている。組織としての構造が脆弱だったこと(たとえば機能の分化や権利の委譲がなされなかったこと)、崩壊に至らないような予防策の構築を怠ったこと、さらに組織内の信頼関係の薄さ、等々。 一言で言ってしまえば、組織として未熟すぎたと結論づけられると思う。また、このままではいずれ崩壊すると分かっていながら、その対策が取れなかったというのも、問題の一つと考えられる。こんなところが、いかにも人間らしい。人間は完璧ではない。 さて、この先どこに向かうのか、興味深い。ちなみに、見習い研究者としてこの問題を考えてみると、組織論が社会科学の大きな領域を占めているのが、分かったような気がする。
by kototora
| 2008-06-28 00:07
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