London研究日誌

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2004年 11月 03日

性善説と性悪説

今日はスイスでの生活から感じる「性善説」と「性悪説」について。

日本ではネットやTVの通販が盛んですよね。こちらスイスでも通販はそれなりにあります。とは言っても、大手の通販サイト、例えばAmazonはスイスにはないので、本やCDをAmazonで買いたければ、ドイツやフランス、英国のAmazonを利用することになります。かなり不便なのですが、まあ小さな国なのでしょうがないとあきらめています。

Amazonはありませんが、スイス国内のいろんな企業が独自のオンラインショップを持っていて、我が家でもそれなりに利用しています。実は、いまこの文書を書いている私のノートPC(ThinkPadT40p)もスイスの激安パソコン屋の通販で購入したものです。

スイスのネット通販は日本のネット通販とほぼ一緒ですが、一つだけ大きな違いがあります。それは、支払い方法。スイスで一番多い支払い方法は、請求書同封の後払いです。つまり、商品と一緒に請求書が同封されていて、商品到着後に(主に郵便局経由で)支払うというもの。これって悪い人がすぐに悪用できそうに思いませんか?商品だけ受け取っていきなり引っ越したりとか。。。でも、スイスでは後払い方式がなぜか一般的です。

この後払い方式が通用しているスイス。これは性善説のうえに成り立っているように思います。つまり、「購入した商品の代金は当然支払われるべき」と売り手は考えており、買い手も「当然支払うべき」と考えているように思います。そこには、「もしかしたら料金未払いで踏み倒されるかも」とか「だまして商品をタダでもらっちまおう」といった悪い考え方の人が少ない、という前提で作られたシステムのように思います。

この考え方は通販のみならず、例えばバスや電車の切符でも同じです。特にジュネーブのバスは顕著で、バスの切符はバス停の横にある自販機で購入しますが、バスに乗るときも、乗ってからも切符の検札はほぼありません。つまり、「乗客は皆きちんとバスに乗る前に切符を購入してから乗っている」ことが前提になっています。もちろん、守らない人もなかにはいますので、一月に一度ぐらいの頻度で検札が回っているらしく、もし切符を持っていないと多額の罰金が請求されるという要因もありますが、キセルや無賃乗車をする人はほとんどいないんじゃないかと思います。

あと、レストランの支払いもそう。お店の人は、請求書を渡したお客に対してはあまり注意を払いません。ですから、客は請求書の金額を確認したら、その金額プラス少額のチップをテーブルに置いて、お店の人に「ごちそうさま~」といってそのまま出てくるのが一般的です。もちろん、お釣りが欲しいときやカード払いの時はお店の人を呼びますけどね。これも、「請求した食事代は当然支払われるべき」だし「支払うべき」という前提に立っていると思います。また、卓上に置きっぱなしのお金も「周りの人は当然盗まない」という前提に立っているように思います。

このように、スイスをはじめとした欧州では、基本的に悪い人はいないはず、という「性善説」のもとに行動がなされているように思います。

では、日本はどうでしょうか?通販はほぼ必ず前払いか代引き、電車は乗る前の改札口で切符を確認され、新幹線などではさらに車内でも検札があります。レストランでは、支払いのときだけはなぜかお店の人がぴったりと張り付いて、即座に支払ったお金はレジに直行します。明らかに、日本では「もしかしたらお金を支払わない人がいるかもしれない」という前提のもとに行動されており、明らかに「性悪説」に基づいたものと考えられます。

どうしてこんなに違うんでしょうね。日本にはキセルや無賃乗車、無銭飲食をする悪人が多い?いえいえ決してそうは思いません。どちらが良い悪いというものではなく、おそらく国民性の違い、メンタリティの違いだけではないかと思います。

でも、両方を知っているとかなり戸惑います。いまだにお金をテーブルに置きっぱなしでレストランを出るのにはけっこう抵抗がありますし、通販の後払いには違和感があります。逆に日本を訪れた欧米の人は、逆に抵抗を感じているのかもしれませんね。
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by kototora | 2004-11-03 05:43 | life in Geneva


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