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London研究日誌

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2007年 08月 10日

Evidenceは重要です

いま、同僚が締め切りに苦しんでいるようなので、ちょっと分析を手伝っています。簡単に言うと、以下のような状況を分析してレポートを書かなきゃいけないそうです。

 問題Aが発生している
  ↓
 問題Aが原因となって、問題Bが発生している
  ↓
 問題Bを解決する方法を提言する

実際にはもうちと複雑なんですが、まあこんな感じ。ここで、同僚のドラフト案を聞いて分かったこと。問題Aと問題Bが当然あるものとして、いきなり問題解決の方法論から話が始まっている。

でも、ちと待て。研究者であれば、以下の手順で検証すべき。

1)本当に問題Aが発生しているか検証する。
2)本当に問題Bが発生しているか検証する。
3)問題Aと問題Bが発生していると実証できたら、問題Aと問題Bとの因果関係を検証する

じゃないと、次のステップ(解決策の提言)にいけない。たしかに、問題Aも問題Bもどちらかというと、一般常識に近い。でも、きちんとしたデータ(evidence)に基づいて検証しないとダメ。誰もレポート読んでくれません。

で、同僚が集めたデータを検証すると、恐ろしいことに、そもそも問題Aが本当に存在するのか非常に疑わしい。というか、データを解析すると、実は問題Aは存在しないという結論が導けそう。。。さらに、問題Bもざざっと分析したのですが、こっちも実証するにはかなり厳しい。

ううう。

いまここで止まっているのですが、非常に疑わしいのが、研究のデザインの問題。というか、問題AとBの定義(definition)が私の理解では間違っている印象。はっきり言うと、思い込みで仮説を立ててしまったんだろうなって感じ。

やばいなあ。。。超やばい。totally ew(発音は、とーらりー、いう、でお願いします → 気に入りまくっている。はは)な状況。あぁ、でも私は単なるお手伝いなのであまりよく理解してないから、判断が非常に難しい。非常に微妙なところなんだよなー。ま、判断を下すのは私の役割ではなく、同僚がすべきことなんですが。

いずれにせよ、締め切りまであと24時間ちょっとしかないが、どうする?

問題Aも問題Bもあると思っていたら、実はどっちも問題ではありませんでしたと結論付けるのが、evidenceに基づいた正当な研究結果だと思うんだが、どうだろう。しかも一般化するのではなく、今回のケースでは問題なしというのが良いと思うんだが、といちおう同僚に提案してみたものの、いま私の目の前で頭を抱えている同僚。難しいよね。

しかし、その前で呑気にブログを更新している不真面目な私。。。ごめんねえ。でも、いまあるevidenceは全部検証しちゃったから、追加情報を探してきてくれないと分析できないんです。頑張れ!

ところで、問題があると思ってよくよく調べてみたら、実は単なる思い込みで問題でも何でもなかったってことは、けっこうあることだと思う。ごく最近にもどこかで見たような。ははは。

by kototora | 2007-08-10 00:17 | myself


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